早すぎる塗装工事につきものの施工不良
何らかの理由で工事を早く終えたい、手間をかけずに引き渡してしまいたい。
そんな気の焦りなどが原因で起きてしまう、施工不良。
工事完了後、足場を取り外した直後にはわからないことが多く、1年ぐらい経ってから徐々に出てくる現象。
外壁塗装の業界では塗膜のフクレ・剥がれが最も多いクレームです。
そもそも早く工事を終わらせると何故膨れてしまったりするのか?、その原因は乾燥不足・硬化不良が大半を占めているといわれています。
塗料は何回か塗り重ねていくものが一般的で、その工程間には十分な乾燥期間が求められています。
塗料の仕様書を例にして挙げてみます。
メーカーの標準塗装仕様に記載されている時間を守らなければならない
上の画像右下の注意書きでは、16時間以上7日以内や8時間以上7日以内と記載されているのがわかると思います。
これは、1工程ごとの乾燥時間と放置可能期限が記されています。
それぞれの塗料によって異なるのですが、必ず乾燥時間が存在していますので絶対に守らなければいけません。
では、守らないとどうなるのか?
塗膜のフクレ・剥がれへとつながってしまいます。
膨れ始めてしまうと次から次へと膨らんでしまい、塗膜剥離に進行していきます
数々の事例やデータを基にメーカーは塗装業者などに向けて標準仕様書というものを出しています。
風邪薬などでいう用法・容量を守ってください、といったものです。
先に述べました工期の短縮を求め過ぎると十分な乾燥時間を設けなかったり、塗料が完全に固まることを待たず次の工程へ進んでしまうことになります(硬化不良)。
乾燥しきらないうちに塗料を塗り重ねてしまいますと、内部に残った水分(溶剤ならシンナー成分)が外気に出よう出ようと(蒸発・揮発)して膨張を始めてしまいます。
それが時間がたち、夏の暑さなどによって目に見えるフクレなどになっていきます。
こうなってしまったら、原因となる下地ごとほじくりだして部分的に補修してから再塗装~となってしまい、余計に工事費がかかってしまいます。
このようなことから、あまりにも早すぎる塗装工事は避けきちんとした工程・時間を守りながら作業を進めていかなければなりません。
それがお客様と塗料を大切にするポイントだと思っています。
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